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横浜地方裁判所 昭和53年(ワ)1263号 判決

原告

今野良彦

原告

今野克彦

原告兼右両名法定代理人親権者父

今野文夫

原告兼右両名法定代理人親権者母

今野玲子

右訴訟代理人

高荒敏明

右同

陶山圭之輔

右同

宮代洋一

右同

佐伯剛

右同

谷口隆良

右同

山本安志

右同

前田健三

被告

横浜市

右代表者市長

細郷道一

右訴訟代理人

猪狩庸祐

主文

一  被告は、原告今野良彦に対し、金一億三四〇三万五四八〇円及び内金一億二三八三万五四八〇円に対する昭和五〇年七月一五日から、内金一〇二〇万円に対する昭和五七年七月一七日から、各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告は、原告今野文夫、同今野玲子に対し、各金三八〇万円及び内金三五〇万円に対する昭和五〇年七月一五日から、内金三〇万円に対する昭和五七年七月一七日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

三  原告今野良彦、同今野文夫、同今野玲子のその余の請求をいずれも棄却する。

四  原告今野克彦の請求を棄却する。

五  訴訟費用は、原告今野克彦と被告との間においては、同原告に生じた費用は、全部同原告の負担とし、原告今野良彦、同今野文夫、同今野玲子と被告との間においては、全部被告の負担とする。

六  この判決は、第一項及び第二項に限り、仮に執行することができる。

事実《省略》

理由

一  請求原因1(当事者の地位)について

請求原因1の事実については当事者間に争いがない。

二  請求原因2(本件事故の発生と傷害の現状)について

1請求原因2(一)記載の日時、場所において松浦の指導による水泳飛び込みの練習中に、原告良彦がプールの水底に自己の頭部を激突させた事実については当事者間に争いがない。

2〈証拠〉を総合すると、原告良彦が本件事故により、第四頸椎骨折による頸髄損傷の傷害を負つた事実及び同人が現在のところ以下の症状であることが認められ、右認定を覆すに足る証拠はない。

原告良彦は第六頸髄節を含めてこれ以下の部分が完全麻痺の状態であり、両上肢は肩の関節をあげることと、肘の関節を曲げることの他は全くできず、下肢は全く動かすことができない。そのため体位の変更は不可能である。また首から下の部分は痛みを感じることができない。直腸、膀胱障害のため、排便は下剤を飲み、浣腸を用い腸部を指圧することが必要であり、排尿にも介助による手圧が必要である。両上肢、下肢、体幹の部分は発汗作用が困難である。運動機能についても、床の上での体の移動や車椅子への移動はできず、食事も自動具をつけてスプーンやフォークでする他に方法がない。

三  請求原因3(本件事故発生の経緯)について

〈証拠〉を総合すると以下の事実が認められる。

1松浦は本件事故当日、中山中学校のプールにおいて、原告良彦を含む四一名の男子生徒に対して、水泳の授業を行なつたが、この日の授業の目標は飛び込み方法を教え最終的には競泳のスタートの方法を生徒に習得させることにあつた。

2中山中学校のプールは縦の長さが二五メートルで七コースを有し、各コースには、被告の主張によつても最高位部分の高さが二七センチメートル、最低位部分の高さが二〇センチメートル、台上部分が五二センチメートル×四三センチメートルの構造を有するスタート台が設置されており、その水深は満水時で、最深部1.4メートル、最浅部1.2メートルであるが、事故当日は、三クラス(約一二〇名)が同時に授業を行なつていたこともあり、プールは満水の状態ではなかつた。

3松浦は、生徒を水に慣らさせた後集合させ、プールの第三、第四コースを使用して、まずスタート台から静止した状態で踏み切る飛び込み方法を練習させた。この際には、足の指を拳一つくらい離してスタート台の縁にかけること、両手を耳につけること、足の蹴りを使つて遠く浅く入ることなど、一般的な指導を行い、生徒はこれに従い各自一、二回程度練習を行なつたが、技能不足のためスタート台を使用しない生徒もいた。

4松浦は、右の練習の結果入水角度が鋭角すぎる者、空中でのフォームが整わない者等飛び込み方法が未熟な生徒が多いと判断し、その原因を足の蹴りが弱いためであると考えたため、次に、生徒に二、三歩助走をしてスタート台脇のプールの縁から飛び込む方法を指示したが、その際には右飛び込み方法について格別の指導、注意は行なわなかつた。

右の飛び込み方法を一、二回実施した後、更に二、三歩の助走をしてスタート台から飛び込む方法を指導したが、この際にも、同人は自信のない者は、スタート台は使う必要はない旨は告げたものの、それ以上に飛び込み方法自体については何らの指導もなさなかつた。

5原告良彦は、松浦の指示に従い、助走して(距離は約二メートル)スタート台から踏み切つたところ(良彦は右方法で飛び込みを試みた三、四番目の生徒であつた。)空中でバランスを失ない、ほぼ垂直な角度で頭部から入水したため、水底に頭を激突させ、本件事故が発生した。松浦は、原告良彦が身体をくの字形に曲げて腰から浮いてきたのを見て初めて異変に気づき救助したが、原告良彦の踏み切り、空中での姿勢は全く見ていなかつた。

四  請求原因4(被告の責任)について

国家賠償法一条の責任について

1市立中学校において、教師の行なう教育活動が同法一条にいう公権力の行使に当るか否かにつき検討する。思うに右にいう公権力の行使とは、国又は地方公共団体がその権限に基づき、優越的な意思の発動として行なう権力作用のみに限らず、純然たる私経済作用及び同法二条にいう公の造営物の設置管理作用を除くすべての作用を包含するものと解するのが相当であるところ、市立中学校における教育作用は、それが市と生徒間のいわゆる在学契約によつて、発生するものであるかはともかくとして、市の設置、管理運営する中学校を利用して、市の教育行政の一環として行なわれているのであるから、純然たる私的作用といえないことは明らかなので、教師の行なう教育活動は、同条にいう公権力の行使に当るものというべきである。

2本件において、松浦が、被告横浜市の市立中学校に勤務する地方公務員であること、及び同人が職務として水泳の指導にあたつていたことは当事者間に争いがない。

3松浦教諭の過失

(一)  〈証拠〉によれば以下の事実が認められる。

中学校における体育授業の一環として水泳の指導をとり入れる目的は、建康と体力の向上、身体の調和的発達、水に対して自己の安全を守ること等にあり、特に飛び込みを指導課題として取りあげる意義は、一般的な水に対する恐怖心の除去、競泳のためのスタート方法の学習の他に、水上での事故に直面した時に自己の安全を護る手段の習得にある。しかし水泳は、他の体育科目に比較して事故が発生し易く、直接生命に対する危険をも包含しており、殊に飛び込みは、その蓋然性が高いためこの学習を指導する教師は、一般的に生徒の身体の安全に対して、充分な配慮を行ない、事故を防止する高度の注意義務を負つている。

次にこれを本件に則して、具体的に検討すると、

中学校の水泳の授業において、指導すべき飛び込み法としては、「順下」及び「さかとびこみ」があり、「さかとびこみ」の指導に関して留意すべき点としてこの飛び込み方法が、水面に頭部から入水し、この角度によつては、水底への頭部の激突の危険を内在させているものであることから、空中での姿勢については、「あごを引きしめ、上腕部で頭をはさむようにして、両腕を伸ばし、指先から水中にはいること、」そして、右の姿勢を保障し、鋭角での入水を避けるために、「飛び込みに際しては、台やプールの壁面に両足先を確実にかけさせること」があげられる。

(二)  松浦の注意義務違反

そこで本件授業の際に松浦が指導した「助走つき飛び込み」につき考察する。

松浦は、右指導を工夫した理由として、生徒が飛び込む際の「けり」が弱い点を補うためであつたとするが、そもそも「けり」の弱さを矯正するものとして、右方法が妥当であるか否かについても強い疑問があるうえ(本来右弱点の矯正は陸上での筋力、足のバネの強化によつてなされるものである。)仮に右方法をとることが有益であつたとしても、この方法で踏み切りを行なえば空中へは通常の場合よりは高く上ることになり、その結果水中に深くまで進入してゆきやすくなることや、踏み切りの方向を誤ることにより極端に高く上がつてしまい、空中での身体のコントロールが不可能になることなどの危険は充分に予測しうるのである。

従つて、松浦には「助走つき飛び込み」法の指導を実施するにあたり、踏み切る位置、滑らないで踏み切れる場所の確保、プールの十分な深さなどについての適正な場所の設定、右指導の目的の充分な説明、前記危険を除去するための適切、丁寧な指導をなすべき注意義務が存すると認められるところ、前記三で認定したとおり、同人は、通常の設置基準に基づいて設置された中山中学校プールで、最高部で二七センチメートル、最低でも二〇センチメートルの高さを有し(原告良彦が「助走」した位置からすれば、高さは更に加わる。)、かつ、水面側に傾斜したスタート台において、右方法についての具体的な指導を一切行なうことなく生徒に「助走つき飛び込み」を試みさせたものであるから、同人が水泳の指導を行なう体育教師として原告良彦の身体の安全を保護し、事故を防止すべき注意義務を怠つたことは明らかである。

(三)  なお被告は、右松浦の指導と本件事故発生との間には相当因果関係がない旨主張するが、前記認定のとおり、原告良彦は、松浦の指導に従つて飛び込んだため空中で姿勢をくずし、前記認定の傷害を負つたものであり、松浦が、前記(2)記載の注意義務を履行していたならば、本件のような重大な傷害の発生を防ぎえたことは充分に予測しうるので、松浦の義務違反と本件事故発生との間には、相当因果関係があるものというべきである。

(四)  以上のことから被告は、国家賠償法一条に基づき、本件事故によつて原告らの蒙つた損害につき、賠償義務を負う。(従つて原告らが選択的に主張している債務不履行責任及び国家賠償法二条に基づく責任については判断する必要がない。)

五  請求原因5(損害)について

1  原告良彦の損害

(一)逸失利益

前記二2で認定した原告良彦の傷害の現状及び原告良彦、同文夫、同玲子の各本人尋問の結果によれば、原告良彦が労働能力を百パーセント喪失し、終生これを回復することはほぼ不可能であることが認められる。更に本件事故発生当時良彦が満一五才の健康な男子であつたことについては当事者間に争いがなく、右各証拠によれば、同人が高等学校卒業後就職して相当な収入を得られることが推認される。

従つて就労可能年数を原告良彦が満一八才になつた昭和五三年から六七才までの四九年間とし、昭和五三年度以降の各年度の賃金センサスの産業計、企業規模計、学歴計、年齢計の平均給与額を基準として、ライプニッツ係数を用いる方式により、同人の得べかりし利益の現価を計算すると次のとおりとなる。

(1) 昭和五三年分   金二五九万三〇五六円

300万4700円×0.863=259万3056円

(2) 昭和五四年分   金二五九万四七二五円

315万6600円×0.822=259万4725円

(3) 昭和五五年から昭和一〇二年までの分   金四八〇二万六五八三円

340万8800円×(18.418−4.329)

=4802万6583円

以上により、原告良彦の得べかりし利益の現価合計は、金五三二一万四三六四円となる。

(二)付添看護費用

前記二2で認定した原告良彦の現状及び原告良彦、同文夫、同玲子各本人尋問の結果を総合すると、良彦は、昭和五二年九月一五日七沢リハビリテーションを退院したが、退院後も排尿、排便、食事、入浴等の行為を全く独力では行ないえず、これらの日常生活上の基本的行為全般にわたり、常に他人の付添介助を要し、この状態が終生継続すると考えられ、良彦は、これまで両親、特に母親の付添看護を受けこれ以後も両親の看護を受けざるを得ないことが認められる。そこで右損害の額につき判断すると、良彦が右状態にあるため、両親は四六時中付添看護をなす必要があり、その労力たるや想像に余りあること、両親が良彦の存命中最後まで同人の看護を続けることができないことは充分に予見しうることなどを考慮して、〈証拠〉から認定できる職業的付添看護婦の付添料金を基準とし、看護補助者の基本日給額に、時間外手当一日三時間分を加算した額をもつて原告良彦の損害とする。なお右基本日給額には一日分の食費が加算されているが、本件では、付添看護をなすのが両親であるのでこれを控除する。

以上から付添看護費用相当の損害の現価は、次のとおりとなる。

(1) 昭和五二年九月一五日から同五三年四月一四日までの分   金一一六万二六一〇円

5510円×211=116万2610円

(2) 昭和五三年四月一五日から同五四年四月一四日までの分   金二一四万九八五〇円

5890円×365=214万9850円

(3) 昭和五四年四月一五日から同五五年四月一四日までの分   金二三八万二六六〇円

6510円×366=238万2660円

(4) 昭和五五年四月一五日から同五六年四月一四日までの分   金二四八万二〇〇〇円

6800万×365=248万2000円

(5) 昭和五六年四月一五日から同年一二月二五日までの分   金一八二万八三五〇円

7170円×255=182万8350円

(6) 昭和五六年一二月二六日以降

原告良彦の残余生存可能年数は昭和五五年簡易生命表によれば五二年と認められるのでライプニッツ計算法でその現価を求める。

7170円×365×18.418=4820万826円

金四八二〇万八二六円

以上合計 金五八二〇万六二九六円

(三)療養雑費

原告良彦の前記症状に照らすと、同人は将来にわたり、健康な通常人の生活費用の他に、紙おむつなどその症状故に必要な療養雑費の出資を余儀なくされていることが認められ、その損害は、一日八〇〇円をもつて相当とする。従つて原告良彦の本件事故後の生存可能年数を昭和五五年簡易生命表により、五九年とし、ライプニッツ計算法でその現価を求めると以下のとおりとなる。

800円×365×18.875=551万1500円

金五五一万一五〇〇円

(四)療養のための改造費等特別出資

〈証拠〉によれば、請求原因5(一)(4)①ないし⑯の各費用は、本件事故と相当因果関係を有する損害と認定でき、その総計は、金五九〇万三三二〇円となる。

(五)慰藉料

原告良彦の前記症状、回復の困難さ、同人の年齢、本件事故の態様等、諸般の事情を考慮すると、同原告の受けた精神的苦痛に対する慰藉料は、金二〇〇〇万円をもつて相当とする。

2  原告克彦の損害

原告克彦が原告良彦の弟であることは当事者間に争いのない事実であるところ、民法七一一条によれば、慰藉料請求権の生じる範囲は、被害者の父母、配偶者、子に限られているのであるから、原告克彦の請求は失当として排斥を免れない。

3  原告文夫、同玲子の損害

原告文夫、同玲子が、原告良彦の両親であることは、当事者間に争いのない事実であるところ、すでに判示したとおり、良彦は、本件事故による回復の見込みのない重大な傷害を負い、これにより右両名が蒙つた精神的苦痛は、子の死にも比すべきものであることは、論を待たない。

よつて両名に対する慰藉料は各金三五〇万円をもつて相当とする。

六  抗弁1(過失相殺)について

(一)  原告良彦が飛び込みについての一般的指導注意に留意しなかつた旨の主張について。前判示のとおり、本件事故の原因となつた松浦の指導が注意義務を怠つたとされる所以は、右指導に従えば飛び込みについての一般的注意事項である「両腕を耳につけて真直ぐに伸ばす。」という空中姿勢を保つことが著しく困難になるからである。原告良彦の以前に、同様な方法で飛込んだ生徒に事故が生じなかつたのは、それらの生徒が、右の注意事項を順守したからというよりも、助走してスタート台に駆け上がり更に飛び込むというそれ自体、相当の運動能力を要求される飛び込み方法を松浦の指示どおりには行い得なかつたためとも考えられ、体育を比較的得意とし、水泳部に籍を置いていたこともある原告良彦は、右の能力を有していたがために、スタート台から強い踏み切りを行ない本件事故が、発生したとも言うべきであり、被告の右主張は、到底理由がない。

(二)  原告良彦が自己の能力を過信したとの主張について

水泳が潜在的に危険性を有する運動であることに鑑み、これを行なうについては、指導者のみならず生徒の側においても自己の能力を十分に見極め、危険回避の努力をなすべき注意義務があり、本件においても中学三年生たる原告良彦が、一般的に右義務を負つていることは認められる。しかし、本件のごとく正課の体育の授業中に教師によつて指導され指示された方法を試みるに際しては、生徒は、〈証拠〉からも窺えるように、教師の指示を信頼して、安心して行動するのが通常であり、ことに本件では、松浦は、自信のない者は無理にスタート台を使う必要はない旨の抽象的な指示しか行なつておらず、生徒には、指示された課題に対して、自己の能力を検討する契機は何も与えられなかつたとみなしうるので、この点に関しても被告の主張は理由がない。

(三)  以上のとおり、本件事故発生につき、原告良彦に過失があつたとは認められない。よつて過失相殺の主張は理由がない。

七  抗弁2(損害の補填)について

(一)  抗弁2(一)の事実については当事者間に争いがない。そこで右支払いが損害の補填になるか否かにつき判断する。

まず、差額ベット代等金一二二万五一九四円については、原告良彦はこれを損害として主張していないのであるから、これを右趣旨にあたるとは認められない。しかし見舞金四〇〇万円については、これを原告良彦の慰藉料に対する被告の先払いとみなしうるから、損害を補填したものと認められる。

(二)  抗弁2(二)の事実のうち原告良彦が日本学校安全会から金一五〇〇万円の支払を受け、これにより損害が補填された事実は当事者間に争いがない。しかし被告主張の医療費については、本件訴訟で原告らはこれを請求していないのであるから、この支払をもつて損害の補填とは認められない。

八  弁護士費用

本件事案の性質、審理経過、前記認容額等諸般の事情を考慮して、弁護士費用は、原告良彦につき、金一〇二〇万円、同文夫、同玲子につき各三〇万円をもつて相当とする。

九  結論

以上のとおりであるから、被告は、国家賠償法一条に基づく損害賠償として、原告良彦に対して、金一億三四〇三万五四八〇円及び内金一億二三八三万五四八〇円に対する昭和五〇年七月一五日(本件事故発生の日である。以下同様)から、内金一〇二〇万円(弁護士費用分、以下同様)に対する本判決言渡の日の翌日である昭和五七年七月一七日から各支払済みまで年五分の割合による遅延損害金、同文夫、同玲子に対して、各金三八〇万円、及び内金三五〇万円に対する、昭和五〇年七月一五日から、内金三〇万円に対する本判決言渡の日の翌日である昭和五七年七月一七日から各支払済みまで年五分の割合による遅延損害金を支払う義務がある。

よつて原告良彦、同文夫、同玲子の各本訴請求は、それぞれ右判示の限度で理由があるので、これを認容し、その余の部分はいずれも失当であるからこれを棄却し、原告克彦の請求は、理由がないのでこれを棄却し、訴訟費用の負担につき、民訴法八九条、九二条、九三条二項を、仮執行の宣言につき同法一九六条一項を適用し、仮執行免脱宣言は付さないこととして主文のとおり判決する。

(菅野孝久 山下和明 野々上友之)

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